スポンサーサイト未来~5つの夢物語~








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めっちゃ・・・(2010.09.05)
名前:sachi(URL)

めちゃいいですね・・・まとまりもしっかりしててすごいです!!

編集

(2010.09.05)
名前:cherry(URL)

ありがとうございます~。すごく嬉しいです。
夢夢ばっかりで忙しいですが^^。
最後は夢じゃないといいですね。

編集












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~夢一夜~

「すまんな。もう、行かなあかんのや」
「待って!!行かんといて。お願いや」
 和葉の叫び声がこだまする。
「私、まだ平次に言いたいこと、いっぱいあんねん」
 暗闇の中、平次は和葉からどんどん遠ざかっていく。和葉は、追いかけようと走りだした。
 その瞬間、和葉の目の前にたくさんの植物の根のようなものが生えてきた。それはみるみるうちに伸びて、和葉と平次の間に格子を作る。
 格子の隙間から何か言おうとしている和葉に、平次はふっと笑いかけた。そして、目の前に立ちはだかった大きな木の枝に包まれ、平次は消えていった。
 和葉は、根を掴みながら、必死で平次に向かって叫んだ。
「平次!待って。行ったらあかんよ。平次!!」

 和葉は、叫び声と共にベッドから飛び起きた。
「夢・・・」
 心臓の鼓動が鳴り響いて止まない。なんだか胸騒ぎがする。

 深夜三時。
 平次は、眠れない夜を過ごしていた。
「あぁ、もう!あかん。全然寝られへんわ。何でや、まったく」
 愚痴をこぼしながら、キッチンへと向かう。何か無いかと、冷蔵庫に手を伸ばした。
 その時、
〝ピンポ~ン〟
 玄関のチャイムが鳴った。
「誰やこんな時間に。めっちゃ非常識やで」
 そう言いながら、渋々玄関の扉を開ける。
「和葉!?」
 そこには、パジャマ姿に、ジャケットを羽織っただけの和葉の姿があった。
「おまえ、なんや、こんな時間に・・・」
 言いかけた平次の胸に、和葉が飛び込んでくる。
「なっ・・・!!」
「・・・良かったぁ。平次、おったんや。・・・ほんま、良かったぁ・・・」
 か細い声でそう言いながら、和葉は平次の胸で泣きじゃくった。
 平次のひきつっていた表情が、ふいに和やかになる。
「なんやよう分からんけど、とりあえず中入れや」
 平次は、和葉の頭を撫でながらそう言った。

 平次は和葉をキッチンのテーブルに座らせると、大きなマグカップにホットミルクを作った。
「ありがと・・・」
 そう言って和葉は、ミルクを一口飲んだ。あまり熱くはなかった。和葉はそのまま、カップの中のミルクを一気に飲むと、ほっとため息をついた。
「少しは落ち着いたか?」
「うん。ごめんな。突然」
 和葉は、空になったマグカップを両手でしっかり握ったまま答えた。
「・・・何があったんや」
 平次が和葉の顔をのぞき込む。まだ、目が少し潤んでいる。
「何でもない」
「せやかて、おまえ・・・」
 戸惑う平次に、和葉はふっと笑いかけた。
「大丈夫や。なんや平次の顔見たら、何もかも忘れてしもたわ」
 和葉は自分でも不思議に思っていた。平次の顔を見ただけで、さっきここに来るまでの不安は何もなくなっていた。
 目の前に平次がいるだけで、心から安心できる。
「しゃあない奴やなぁ。まあ、ええわ。幼なじみやしな。何でも相談にのったるから」
 幼なじみ・・・。いつもは聞きたくないその言葉・・・自分はただの幼なじみに過ぎないんだ、と思わせるその言葉も、なんだか心地よく聞こえた。
「そういえば・・・、おばちゃんとおっちゃん、さっきのチャイムで起きてしまわへんかったかなぁ」
 今更ながら、ふと気付いて和葉が尋ねる。
「何言うてんねん。親父はおまえの親父と捜査中で戻ってきてへんし、おかんはおかんで、温泉旅行行く言うて、朝早う近所のおばはんたちと出てったで。おまえんとこのおばはんもそうや無いのか?」
 そうやった。私んとこもひとりで留守番やったわ。
 あれ・・・?てことは・・・。
「今、この家私と平次とふたりきりっちゅうこと?」
「そやけど?」
 平次は、涼しい顔で、テーブルにあったビスケットをかじっている。
 まったく、この男、ほんまに何とも思わんのかいな。
 和葉は、悲しいのを通り越して少し呆れていた。
  

~夢二夜~

 和葉は、平次のバイクの後ろに乗って、夜が明け始めた頃の薄暗い道を走っていた。
「なあ、平次ぃ、どこ行くのん?」
「まあ、ええからええから」
 平次はまっすぐ前を見つめたまま答えた。そしてそのまま、バイクはどんどん進んでいき、夜が明けてしまった頃、やっと目的の場所に着いた。
「海や!綺麗・・・」
 平次と和葉は、泳ぐにはまだ早い、少し肌寒い朝の海にやってきた。小高い砂の丘を、一気に駆け下りる。
「すっごーいっ!なんや、海なんて見慣れてるけど、誰もおらん朝の海って、なんか違う感じやね。なんか神秘的っ!」
「せやろせやろ、俺も気に入っとるんや」
 なんや平次って結構ロマンチストなんや。
 そんなことを考えながら、和葉ははしゃぎ回る。
 その背中をほほえましく見つめながら、平次は和葉に向かって叫んだ。
「なんやえらい元気やないか。ほんま、やっぱおまえは笑顔の方がええなあ」
 その言葉に、和葉が振り返る。
 もしかして、私のために?私が落ち込んどったから?
 和葉はゆっくりと平次に近づく。そして、ある決心をする。
「平次、あのな・・・、私、ずっと前から・・・」
その言葉を制すように、平次は和葉の肩に手を乗せる。
「言わんでええから。その続きは」
 平次の顔が近づいてくる。和葉は、そっと目を閉じた。

 和葉は、はっと目を覚ました。
「なんやまた夢かいな」
 ふと見ると、目の前に平次の顔が・・・。
「うわっ、びっくりしたぁ」
 和葉は思わず飛び起きる。その声に、平次が目を覚ます。
「ん・・・?・・・なんや・・・」
 どうやらふたりとも、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。もう、夜は明けていた。
「もうちょっとやったのになぁ・・・」
 和葉は知らず知らずのうちに、声に出してつぶやく。
「は?何がや」
「え・・・?ううん、何でもないんや」
 和葉は焦って弁解する。でも・・・。
 正夢にならんかなぁ・・・、なんて。
「なあ、今日日曜やし、どっか行くか?」
「・・・え?」
 突然の平次の誘いに、和葉は自分の聞き間違いかと思い、思わず聞き返す。
「せやからぁ、一緒にどっか行こか言うたんや。まあ、嫌ならええけど・・・」
「ううん、行く!行きたい!」
 あまりの和葉の喜びように、今度は平次の方が戸惑ってしまう。
「ま、まあ、とりあえず和葉ん家行って着替えなあかんな」
 そう言えば・・・。
 和葉はまだ自分がパジャマ姿のままだったことに気付く。
「ねえ、どこ行くの?」
「そうやなぁ・・・」
 そのとき、
〝ジリリリリ〟
 電話のベルが聞こえてきた。


~夢三夜~

「ちょっと待っとってや」
 そう言って平次は、廊下にある電話の方へ駆けていった。
 なんか、嫌な予感・・・。
 そして、和葉の予感は見事に的中してしまった。
「すまん!事件捜査の依頼が入ってしもてん。悪いけど、約束はまた今度ってことで・・・」
 そんなことやろうと思った。
 でも、事件捜査に関しては何よりも張り切る平次のことだし、断らせるわけにも行かない。

 平次は、和葉を家まで送った。
「すまんな。もう、行かなあかんのや」
 ふと、平次の言葉が、夜中に見た夢と重なった。
 和葉はいつの間にか、平次のTシャツの裾を掴んでいた。
「待って、行かんといて」
 その言葉に、平次は困惑する。
「そんな顔すんなや。約束破ったのは、今度絶対埋め合わせするから」
 和葉が平次を止めるのは、約束を破られたからではないのだが。
 和葉は仕方なく掴んでいた手を離した。そして、自分の持っていたお守りを差し出す。
「これ・・・、持ってってや」
「え?お守り?そやけど俺、おまえにもらったやつ持ってんで」
「いいから!」
 和葉は半ば無理矢理、お守りを平次の手のひらにねじ込んだ。
「分かった。なんやよう分からんけど、持ってくわ」
 平次は和葉にもらったお守りを首に掛けると、バイクに乗って走りだした。
 和葉は、平次の後ろ姿を、見えなくなってしまうまでずっと見送っていた。

「・・・以上のことから考えても、犯人はあんたしかおらんのや。堪忍せい!証拠も挙がっとるんやで」
 平次は、依頼のあった家で、刑事たちに囲まれながら、いつものように完璧な推理を展開していた。これで、事件は全て解決!の筈だった。だが・・・、
「うるさい!黙れ、おまえに何が分かる!おまえなんかに俺の苦しみが分かってたまるか!」
 そう言って、事件の犯人は、隠し持っていた拳銃を平次に向かってまっすぐに突き出した。
「やめや。警察だって囲んでるんやで。おとなしく罪を償えや」
「うるさい!」
 そのとき、家中に、そしてこの家の近所中に、銃声がこだました。

 和葉は、少し遅い朝食の準備をしていたが、ふいに持っていた皿を落としてしまう。
 平次と別れてからずっと、胸騒ぎがしている。
 和葉は玄関にあったサンダルを履くと、平次が言っていた事件現場に向かって駆け出した。


~夢四夜~

 和葉が事件のあった家にやってくると、そこはパトカーと、警察と、野次馬で溢れていた。その中に、一台の救急車の姿が見える。
 和葉は、側にいた野次馬の腕を掴むと、言った。
「なんか、なんかあったんですか?」
「俺もよう分からんのやけど、急に銃声が聞こえてきてな。他の人の話やと、高校生の探偵がひとり、撃たれたとかどうとか・・・」
「平次・・・!」
 和葉の脳裏に、平次の姿が浮かぶ。
 私が、あん時手ぇ離さんかったら・・・。
 和葉は、掴んでいた野次馬の腕を力無く離した。
 なんで・・・?なんであんな嫌な夢が正夢になんの?
「平次ぃ!」
 和葉は叫びながら、野次馬を押し分けて中へ入ろうとした。その時、
「俺がどうかしたんか?」
 後ろから、聞き慣れた声が聞こえる。和葉は振り返った。
「へ・・・、平次!」
 そこにいたのは、紛れもない平次であった。
「なんやおまえこんなとこで」
 平次は不思議な顔をしている。
「なんで・・?撃たれたんちゃうの?」
「撃たれた?ああ、もしかして、これのことか?」
 そう言って、平次は右腕を和葉に差し出した。二の腕に、小さな絆創膏が貼られていた。
「・・・へ?」
「いやぁ、撃たれそうになったんは確かなんやけどな、犯人が拳銃ぶっ放す瞬間に、側におった警官が犯人取り押さえてな。弾が反れてこんだけの怪我で済んだっちゅうわけや」
 和葉はほっとした。と同時に、目から溢れ出そうになっている涙をぐっとこらえた。
 そんな和葉に気付いているのかいないのか、平次は冗談混じりに言う。
「せやけど俺、お守り二つも持っとったのに怪我するなんて、やっぱこのお守り全然効かんのとちゃうか?」
「アホ。そのお守りがあったから、絆創膏ひとつで済んだんや」
 平次をけなしている和葉の目から、とうとうこらえきれずに涙がこぼれ落ちた。
 平次は自分がきついことを言ったからかと、あわてて訂正する。
「あっ、・・・そ、そやけどやっぱ、このお守りのおかげやな。うん、せやから、お、おい、泣くなやっ・・・」
 自分の前でどぎまぎしている平次を見て、和葉はなんだかうれしくなってくる。
 目から溢れてきた涙を拭うと、和葉は平次にとびっきりの笑顔で言った。
「アホやな平次は」
 そう言った和葉の頬に、平次の唇が小さく触れる。
「・・・え?」
 和葉は、みるみるうちに耳まで真っ赤になっていく。
「ほんま、おおきに。ほんなら、約束通りどこでも連れてったるで」
 平次の顔が、いつもよりも数倍かっこよく見えた。
 ちょっとは、正夢になったかな・・・。


~夢五夜~

 小鳥のさえずる声に、和葉は目を覚ました。
「あれ?」
 そこは、和葉の部屋だった。和葉はベッドから起きあがると、テレビのスイッチをつける。
 日曜日・・・。
「え・・・、ちゅうことはもしかして、今までの全部・・・」
 夢!?
「な、なんやのー」
 和葉は思わず叫んだ。

 朝御飯を食べ終わった頃、玄関のチャイムが鳴った。
「はーい。誰?」
 玄関の扉を開ける。するとそこには・・・、
「平次!」
「よお。せっかくの暇な日曜やし、たまには和葉誘ったろうかと思てな。一緒にどっか行かへんか?」
「行く!ほんまに!?ちょっと待っとって。すぐ用意する!」
 そう言ってから、和葉は少し考える。
 待てや、平次が私のこと誘うなんておかしいんとちゃうか?このパターンは、もしかして、もしかすると・・・。
 和葉は、自分の頬をつねってみる。痛い・・・。
「何やってんねん、おまえ」
「ううん、何でもない。ちょっと待てや」
 和葉は大急ぎで鞄を取ってくると、平次のバイクの後ろに飛び乗った。
「変なやつ・・・」
「なんか言うた!?」
「え。いや、何でも」
 平次と和葉の乗ったバイクは、暖かい太陽の光に包まれながら、地平線の向こうへと消えていった。


強がりを言っても 好きだと素直に言えなくても
何も語らず 優しくキスを・・・ 心の奥にいてくれる
このまま こうしていられるかな?
幸福せ過ぎると不安になる

とびきり素敵な あなたの笑顔に映る 二人の未来 輝いてる
ずっと傍にいて 世界中に誓える
動き出した この気持ちは もう止められない 愛してる

永遠に続くこの道を歩こう 悲しみさえ 無限の力にして
たくさんの夢を追いかけるあなたと
同じ景色 描けるように 分かち合えるように いつまでも・・・


小松未歩「未来」(小松未歩「2nd ~未来~」 Amemura O-town Record inc.)






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めっちゃ・・・(2010.09.05)
名前:sachi(URL)

めちゃいいですね・・・まとまりもしっかりしててすごいです!!

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(2010.09.05)
名前:cherry(URL)

ありがとうございます~。すごく嬉しいです。
夢夢ばっかりで忙しいですが^^。
最後は夢じゃないといいですね。

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